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イスラエルに行ってきました。(後編)

2010/12/31

2010年の11/1~11/4の4日間にイスラエルへ行ってきた記録の、後編です。前編はこちらを参照。前編に比べると、グルメ寄りの内容多め。

後編:エルサレムのこと。人と宗教と食事のこと。

バスセンター(Egged Central Bus Station)に着いたのは良いんだけど、エルサレムの中心部(旧市街)までの道がわからない。バスセンターの警備のお兄さんお姉さんに道を聞いたけど、英語が通じなくてコンパス(iPhone)と地図片手に手探りで、少し迷いながら旧市街へと向かう

市街地に入ってくると、こんなバスが走ってたりする。頑張りすぎだろwって思ったけど、バスの本数がめちゃくちゃ多いエルサレムでこんなバスが走るということは、それだけバスが市民の足として使われているっていうこと。これは前編でイスラエルは車社会って紹介した所以の一つでもあります。

宿を目指しつつ、エルサレムのマハネー・イェフダー市場(Makhane Yehuda Market)に寄り道。宗教上の理由で扱ってないものがあるなじゃないかと思って入ったのだけど、肉も魚も野菜も果物もあるわで、拍子抜けした。ここで宿で食べるデザート用にトマトを1個購入。数年前に爆発事故が起きたって話を聞いていたから、けっこう緊張しながら回ったな。

エルサレムの新市街の様子。この近くには有名ブランドショップも百貨店もレストランも立ち並ぶ。エルサレムは宗教関係の文化的な観光名所が多いから勝手に観光都市をイメージしていたのだけど、そんなこともなかった。確かに名所は多いし土産物屋も多いけど、そういう側面の他に現地に住む人のための都市もしっかりと形成されていた。

探り探り歩いているうちに昼を食べていなかったことに気がついて、午後15時頃にベジタリアンレストランに入店。バジルソースで和えたトマトがめちゃくちゃおいしかった。

イスラエルの人口の8割近くを占めるユダヤ人は主にユダヤ教を信仰していて、そのユダヤ教にはカシュルート(Kocher、現地の人の発音だとどっちかっていうと「コーシャー」っていうカタカナの方が近い)っていう食事規定があるんだけど、その中でかなり多くの肉類(魚も含む)を食べることが禁止されているのね。だからユダヤ教の人にとっては、ベジタリアンレストランはとても入りやすい店。この時は、そんなこと考えずに入店したけどね。

ところが前編のマサダ要塞の下山で思いのほか体力を消耗していたらしく、昨日からの疲れもあって頭痛が強くて、相席していたイスラエルのお婆さんから大丈夫ですか?って声をかけられるような様子だったから、セデスを飲んで少し机につっぷして回復させた。

結局トマト以外は何も食べられなくて、お店の人に相談したらテイクアウト用の皿につめてくれた。この時の女性店員さんかわいかったなー。(具合悪くてもそこは見る←)

それで、なんとか宿までたどり着いた。宿は1泊1万円の無駄に高級なところに泊まったよ。出発の3週間前に旅行が決まったことと、ハイシーズンに入りかけていたことがあって、安い宿が全然取れなかったんだよね。

日没までまだ時間があったので、旧市街に繰り出した

旧市街(The Old City)の様子。ユダヤ、キリスト、イスラムの3つの宗教の聖地エルサレムの中心的な場所。日本で城や寺を中心として商圏が発展したのとちょうど同じように、イスラエルでも寺院や教会が集まる旧市街を中心として商圏が発展していた。写真は旧市街の中央を通るダビデ通り(David St.)。

ダビデ通りは人通りが多かったけど、同じ時間の旧市街でも混んでない道もあるし

お店ばかりじゃなくて普通に住居も沢山建っているようなところ。

そんな様子を横目で見ながら、今回の旅の最大の目的地の一つに到着したんだ。

嘆きの壁。ユダヤ教と人。

嘆きの壁(The Western Wall)。AD70年にローマ軍によって破壊されたユダヤ教の神殿を囲んでいた壁の名残。ユダヤ人の帰郷、神殿の再建、メシアの来臨など、様々なユダヤ人の祈りが捧げられる場所。

21メートルもの高さがある壁のふもとで、ユダヤ教の信者やユダヤ人が壁に頭をつけて口々に聖書を詠む。

その人々の姿が、何にも増してここが神聖な場所であることを人々に示している。

嘆きの壁の様子、ビデオでも残しておいた。壁の前に佇んでいる人は、皆聖書を詠んでいたり祈りを捧げたりしている。ここが普通の観光地の感覚とは少し違うことが、少しか伝わるだろうか。

気がついたら日が落ちて夜になったので、宿に戻りがてら、帰り道にあるヤッフォ門(Jaffa Gate)近くのSamara Restaurantでチキンステーキをいただく。久しぶりに食べる暖かい白米がおいしかった。

ドイツのフランクフルトから観光に来てたという、隣のテーブルに座っていたご夫妻が、僕が写真を撮ってる様子を見て「twitter?」って聞いてくれて「よくわかりましたね 笑」って言って少し会話した。このご夫妻は翌日にヤド・ヴァシェム(Yad Vaschem Holocaust Memorial)に寄ってから、エルサレムを出るらしかった。ヤド・ヴァシェムは僕がこの旅の最後に寄るところ。

食事を終えて宿に帰還。宿からの旧市街の眺め

この日は洗濯してコーラ飲んで寝た。ホテルのフロントに聞いたらランドリーサービスが60NIS(1500円くらい)するって言われたから、自力で洗濯することを選択したよね。

ヨーグルトは無糖だった。ヨーグルトは無糖で食べる文化なのかな。

3日目、起床して洗濯物の乾きをチェック。室内のエアコンで乾かす作戦で、大体うまく乾いてくれていた。写真は宿の屋上から旧市街の夜明けを眺めたときの様子。着込んでたけど肌寒かったな。

部屋で昨日市場で買ったトマトを食べた。鮮度は高くて、トマトの中身が緑色分が少なかった。小ぶりのサイズだったけど甘みは少なくて、少し酸味があったかな。

早朝、旧市街を再び訪れた。筋肉痛の体で昨晩の賑わいが嘘のように静かな旧市街のダビデ通り(David St.)を歩く

ガラガラ

ほぼ同じ時刻の嘆きの壁に来てみた。朝6時過ぎの様子。商店はまだ店を開けていない時間にも、多くのユダヤ教信者で壁の前が埋め尽くされている。仕事前に立ち寄って祈りを捧げる人が多んだろうな。

彼らはここで祈りを捧げた後、その日の日常生活に戻っていっていく。一人30分から1時間ほどの祈りを捧げた後で。

嘆きの壁をしばらく眺めていたのだけど、次から次へと信者がやってきては去り、やってきては去りといった具合で、祈りが途切れることはなかった。

ビデオの前半は歩きながら撮影してすごく乱れてるけど、後半は朝の祈りの様子が記録できてると思う。この日も僕は、ひたすら観察して、記録していた。

キリスト教のこと。昼の食事のこと。

嘆きの壁を後にして、カフェで一息ついた後、旧市街近辺を徒歩で散策してみた。

これは鶏鳴教会(St.Peter in Gallicantu Church)にあるイエスが歩いたという階段(Holy Steps)。この丘のこの階段からの眺めをイエスも見てたことを思って少し足が震えてた。

鶏鳴教会の中の様子。静かな場所でした。ステンドグラスの光が教会の中を優しく照らしていた。

ダビデの町(The City of David)やシオン門(Zion Gate)のあたりを歩いた時に撮影。手前の家屋の洗濯物の生活感や衛星アンテナの佇まいが良い。奥の方に見えるのはほとんどが住宅地。

糞門(Dung Gate)の近くのバス駐車の様子。東京もそうだけど、こういう長い歴史を持つ都市は、近代的な交通システムの設計ができていないところが多い。当たり前なんだけどさ。

最後の晩餐の部屋(Coenaculum)。団体の観光客さんはかなり高い確率で、写真の人たちみたいに輪になって、めいめいの母国語で聖歌を歌っていく。こういう場所で聖歌を歌えれば、それはすごい大きな一体感を感じられるんだろうな。そういえば英語で歌ってる聖歌は結局一回も聞けなかった。

あと、聖墳墓教会(Church of Holy Sepulchre)に寄って教会の中にあるイエスのお墓も参拝してきた。基本的に無宗教の僕が入るのもなんだなあ、と思いながら。

ちょっと喉が渇いたので日用品店へ入った

オレンジジュースを一つお買い上げ・・・ん?

「Osaka」っていう寿司弁当発見。なんと。

なんかもう「Tokyo」以外だったら何でもいいやっていうネーミングにカルチャーショックを受ける。Osakaっていう地名はもう少し有名だと思ってた。

ちなみに写真ではわからないけど、箸の袋には「キッコーマン」ってカタカナで書いてあります。コラコラw

効率的に収納される野菜たち。日本のスーパーの野菜の陳列も、これくらいの手の抜き方でも良い気がする。ここで晩のデザート代わりのトマトをお買い上げ。

お昼になったので、ご飯。イタリアンの店に入った。写真はグリーンサラダ。パンは頼んでないけどついてきたやつ。どちらもおいしい。

イスラエルの家庭料理(らしい)豆のスープ。詳しい原材料名を2回くらい聞いたけど、どの店員さんに聞いても「豆です」って答えてもらえただけで、ああ昼時で忙しいからだと思って夕方また店に寄ってもう1回聞いたら「豆です」って言われた。これは豆のスープです!

実は昼飯は失敗を犯した。隣に置いたiPhoneのサイズからボリュームを察してほしいんだけど、軽く2人前はあるやつを頼んでしまった。調理に30分かかりますって言われた時点で気づけばよかったんだけど。

料理自体は超分厚い鮭の切り身と芋の料理。たっぷりのオリーブオイルで炒めてあって、おいしいんだけどこれがまた重い。店員さんが「当店一番のオススメです(`・ω・´)キリッ」って言うから思わず頼んだメニューだったけど、あれはある意味日本人の胃袋への挑戦状だったのかもしれない。

結局、鮭は食べきったけど芋は食べきれずに残さざるを得なかった。味はおいしかったと思うのだけど、重くなった胃袋の感覚しか思い出せない。

ユダヤ教のこと。夜の食事のこと。

昼下がりから、3日目の目玉として期待していた場所へ。

ウェスターン・ウォール・トンネル(Western Wall Tunnel)。嘆きの壁の地下部分を見て回るツアー。要事前予約。

案内人の人が、嘆きの壁の歴史を説明してくれたり

旧市街の城壁の成り立ちの説明の大型模型があったりするんだけど

何より圧巻だったのは、嘆きの壁の下に敷かれている岩。一枚のつながっている岩で、570トンの重さがあるという。この岩を、誰がどうやってここに持ってきて嘆きの壁の土台としたのか、未だ謎に包まれているそうです。へええ

その後も旧市街や新市街を散歩した。これはダマスカス門。旧市街を囲む門の中では一番立派な門。

この日も時間が経つのが早く感じたな。そうこうしてるうちに日が落ちてきたので、新市街を歩いて夜ご飯のレストランを物色して、コーシャー(Kocher)スタイルのイタリアンレストランへ。

パンはどこのイタリアンでも出てきたけど、どれもおいしい。

このサラダが絶品だった!グリーンサラダやナッツにりんごをすりおろした汁とはちみつがかかってる。りんごの酸味とはちみつの甘さが絶妙。

で、メインのパスタ。僕が想像していたロングパスタじゃなくて、ショートパスタが出てきて驚いた。パスタソースは酸味のきいたトマトソースでおいしかったのだけど、

このパスタが、マカロニやニョッキじゃなくて、詰め物入りのパスタ。初めて食べたんだけど、ラヴィオリっていうのかな?コーシャー(ユダヤ教の食事規定)の関係で肉類は入っておらず、スピナッチ(ほうれん草)が入ってる。他は何が入ってたんだろ。

続・ユダヤ教のこと。食事やマクドナルドのこと。

たった4日間だったっていうのに、長いなあこの旅行記。もう終わるよ。いよいよイスラエル旅行記最終章の4日目。

宿泊先の朝食を食べてみた。コーシャー(ユダヤ教の食事規定)スタイルの朝食。野菜がメインで、手前の肉はマグロのツナ。マグロのツナはコーシャーでもOKなんだってさ。

この日の朝は、それまでの疲れをとるために朝ゆっくり起きて、タクシーで移動した。午後からベングリオン国際空港に入らなきゃいけなかったので、この日は午前中だけ観光。

午前中いっぱい、写真のヤド・ヴァシェム(Yad Vaschem Holocaust Memorial)を見て回った。館内は写真撮影が禁止されていたので、写真はなし。

別名、ホロコースト記念館。ここでは第二次世界大戦中のホロコーストの事が細かく克明に展示されていました。当時の貴重品の展示、ホロコーストを経験した人のインタビュー映像、強制収容所の模型とか。見所は沢山あるけど、個人的にはホロコーストが始まってイスラエルという国が建国されるまでの流れを大まかに追えたのが良かった。

その他に印象に残ったのは、ブルガリア(だったと思う)のキリスト教会の人たちがホロコースト中にユダヤ人を助けたストーリーが紹介されていたこと。宗教が違っていても人が助け合うことはできることが事実として展示されていたことに、勇気付けられるような思いでいた。もしエルサレムを歩くことがあったら、ヤド・ヴァシェムもぜひ訪れてみてほしいな。

僕のイスラエルの旅はこんな感じだったよ。

おまけ:イスラエルのマクドナルド!

エルサレムのバスセンター内にあるマクドナルド。マックのロゴにKocherって上書きされてる。

ビックマックのセット。アメリカで食べたのよりは厚さが薄いけど、日本のものよりも全然大きいサイズ。ユダヤ教の人は食事規定があって肉を食べることができないけど、マグロのツナを食べることができるみたいに、例外が許されている。ここで食べたハンバーガーのパティ(肉)にも何らかの肉が使われていたんだと思います

そしてこれ、あっさりして地味にすごいおいしかった。あっさりしたと感じたのは、マヨネーズが入ってないからと、肉汁がほとんどなかったからかな。あっさりしたマックは新感覚で面白かった。

マックの店員さんも優しかった。全体的に、イスラエルの人は温かかったよ。ビックマックのセットを受け取りに行ったら、バックパック姿の僕を見て"Have a nice day"って言ってくれたり。旅を通してイスラエルの人が好きになったよ。

こちらはベングリオン国際空港にあるマック。やっぱりKocherって書かれている。看板は赤い場合も青い場合もあるんだなきっと。

ケバブも食べてみた。味は、普通でした!←手抜きじゃなくて本心。まあ、あっさりしていた。

以上!ここまでの超長文を読んでいただいた皆さんへ、どうもありがとうございました!!

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