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「やさしさ」と「冷たさ」の心理 / 加藤 諦三

2009/07/24

久しぶりに人の心理のことについて書かれた本を読んだ。
amazonで偶然見つけた本。

一言でいうと、自分の心のあり方を見つめなおすきっかけを与えてくれる本という感じ。
自立的で健康的な心のあり方について、著者からのメッセージが書かれている。

楽しく、興味深く読めた。良い本。
以下、気になった点をメモ。


・心の不健康な人間は、相手が大切になればなるほど、「ノー」と言えなくなってしまう

・心の底で自分で実際の自分を拒否した人は、不思議にというか、当然というか、実際の自分を拒否する人にひかれていく。
 これらの人は、本当のところで、無意識のところで自分を憎んでいる。自分で自分を憎んでいる人は、他人をも憎んでいる。
 抑圧の強い人、劣等感の強い人は、まず自分が心の底で憎んでいる人に近づいていく。

・甘えている人、欠乏動機に動かされている人は、いつも誰かがそばでチヤホヤしていてくれないと不安で、すぐに他人の言動に傷つく。
 自己実現をしている人にとっては、そのように他人がいつもそばでお世辞を言ったりすることで、
 自分の生活は妨げられていると感じるものだ。

・”自責の念に苦しむ人”は実は被害者。
 自分を責めても他人から認められる訳ではない。それは責任逃れしていることになる。
 他人の不快感情に責任を持つ必要はないことを、自分に言い聞かせることが重要。

・とにかく、自分が満足すること、まず自分が幸せになることを心がけることが大切。
 自分が幸せになることを、自分に許すことだ。
 自分が不幸な時、どのように努力しても結局、身近なものを不幸にしてしまう可能性は大変多い。

・生きることを思い切り楽しむことはよいことだ、
 幸せいっぱいになることはよいことだ、
 嬉しい時には思い切り嬉しさを表現することはよいことだ、
 そして自分を惨めに見せることで他人の好意を期待することは止めよう、と自分に約束することだ。

・自らの内なる幼児性に気づくことは、大切なことだ。
 自己実現とは、そのように自分の内面の真実にひとつひとつ直面していくということでもある。
 何だか分からないけど不愉快だとか、
 こんな時、なんだか分からないけど重苦しい気持ちになるとか、
 こんな時、何だか分からないけど、いやな気持ちがして体をかたくしてしまうとかいう時、
 それは本人が分からないだけで、それなりの理由はきちんとある。

 気づきたくない何かがある。気づくのが恐ろしくて、無意識に追いやった何かがある。
 それらの感情は、自分の心が不健康であることを自分に告げている。
 それを「べき」論でごまかしていたり、他人の言動に責任転嫁したりしていては、
 いつになっても情緒的成熟は期待できない。
 
・心理的に自立した人、心理的に親離れできた人、心理的に自分を頼りにできる人というのは、
 誰と親しくなっても、その人に心理的自由を脅かされるということはない。
 だから、内の人に対しても、外の人に対しても、朗らかな気持ちでいられるのである。

・不快感情では結局、相手は変えられない。

・ありのままの自分では愛されないという孤独感こそ、現実との接触の障害になっているものである。

・執拗に”自己卑下する人”は誰かを憎んでいる。
 もともと自尊の低い人は、失敗することを、自尊の感情の高い人に比べて恐れる。
 この「失敗回避欲求」に動機づけられて行動していると、その人の内面は空虚になる。
 
・それにしても自分を頼りにすることができず、「見捨てられる不安」を持つ者は、
 何と多くの感情を抑圧して生きることだろうか。
 たとえば、自己卑下して生きている人間を考えてみよう。
 執拗に自分を悪く言う人、「自分なんか」とか「自分のような者を」とか、
 自分を悪く言う人がいる。
 そのような人を見ていると、自己卑下し、気がひけているようでありながら、
 他方で厚かましく驚くほど傲慢であったりする。
 
・自分の都合いいようにあなたを動かすために、「らしさ」を押し付けた人がいた。
 あなたを利己的に利用した人々に、なんでそんなにまで認めてもらおうとするのだ。
 あなたの心を混乱させて病ませてしまった人達に、何で復讐しようとするのだ。
 そんなくだらない人のために、あなたの貴い一生を使うことはない。

・自我の基盤の脆い人間は、ある人を一方で軽蔑しながら、他方でその人を必要としている。
 あなたが自我の基盤の脆い人間とかかわり合うとどうなるか。
 あなたはいじめられう、あざけられう、それでいながら離されない。

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