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パラダイムの魔力―成功を約束する創造的未来の発見法 / ジョエル バーカー(Joel Arhtur Barker)

2009/04/26

パラダイムの驚くべき力について書いてある。
読んだ直後は仕事中も「パラダイム」って連発してました。
周りはさぞ迷惑だったろうと。

そうなってしまうくらい、頭の中でパラダイム祭りが起こります。
パラダイムの開拓者になるべく、新しい情報を見つけたり
何かに好奇心をもって接するようになる気がします。

日本がパラダイムを開拓するのが最も得意な国として紹介されているのも嬉しい。
外国から日本がどう映るかという視点でも読めて楽しかった。

以下印象に残った点をメモ。

・パラダイムとは、ルールと規範であり(成文化されている必要はない)、
  (1)境界を明確にし、
  (2)成功するために、
 境界内でどう行動すればよいかを教えてくれるものである(p28)

・パラダイム・シフトとは、新しいゲームに移行すること、
 ゲームのルールがすっかり変わってしまうことである。(p34)

・圧倒的な優位に立つために、パラダイム・シフターになる必要はない。
 パラダイムの開拓者になれば十分である。(p83)

・パラダイムを開拓するのが、もっとも得意な国はどこか。
 つまり、よその国のパラダイム・シフトを取り入れ、
 それをパラダイム曲線のフェーズAからBへ推し進め、
 アイデアを商品化するのがもっとも得意な国はどこか。
 日本である。
 日本人は、パラダイム・シフトのアイデアを世界中から吸収してきた。
 VTR(アメリカ)、クオーツ時計(スイス)、ダイヤモンド薄膜(ソ連)。
 ...(中略)... その結果、どうなったか。 ...(中略)... 
 いくつもの分野で、世界市場を制覇した。(p84)

・パラダイムの開拓者がたえざる改善をつづけていれば、
 移住者が入り込む隙間はまったくなくなる。(p88)

・人力飛行機の経験を通じ、「実際には存在しない障壁」のために、
 ものごとをあきらめてしまうことがいかに多いかを知ったという。
 「ものを考えるうえで重要なのは、パターン(パラダイム)を作ることだと、すぐにわかった。
 ものごとをパターン化すれば、どんな複雑な情報もすばやく整理できる。
 しかし、これは強みにもなれば、弱みにもなる。
 パターン化されると、新しい発想が白い目で見られるようになる。」(p135)

・そのパラダイム・シフトが重要か否かを判断する著者の基準は、
 重要な問題を解決できるかどうか。(p140)

・1950年代以降、日本製品の質が劇的に向上したのは、
 ルールが基本的に変わったから。例えば、TQC。(p145)

・境界が変わらず、成功の基準も変わらずに、
 ルールがひとつ変わっただけではパラダイムが変わったとは言わない。(p168)

・パラダイム効果は、「見えると信じる」の常識的な関係をくつがえす。
 「信じれば、見える」というほうが正確なのだ。
 言い換えれば、ルールを理解してはじめて、微妙なところが見えてくる。
 よく見るためには、パラダイムが必要なのだ。(p171)

・激動の時代には、パラダイムのしなやかさが最善の戦略になる。
 ものごとの新しいやり方を果断に求めていくこと。
 つねに自分のパラダイムに疑問をもち、パラダイムを変える人に
 次のような疑問をなげかけていく積極的な行動姿勢をとること。
  「自分の分野で不可能と思えることが、もし可能になるなら、
   仕事の性質が根本から変わってしまうだろうか」
  「自分の分野外で、自分が解決できない問題に関心をもつ人がいるとすれば、
   それはどんな人だろうか。」
 この2つの質問が、新しいパラダイム追求の出発点になる。(175p)

・リーダーとは何か、について著者の定義。
 「人々がみずから進んでは行こうとはしない場所に、人々を導くのがリーダーである」
 (...中略...)
 管理はパラダイムの中でおこなうもの。パラダイムの間を導くのがリーダー。(p183)

・パラダイムの原理が教えてくれる大切な教訓。
 「新しいアイデアを容認しなければならない。
  新しいアイデアを持ち込んでくる人、自分とは違った考え方をする人に、
  寛容でなければならない。」(p226)

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