次世代 Web カンファレンス で Edge Computing の話をしてきた
2023/12/21
いろいろな状況的な理由からこのブログを更新せずに早 6 年くらい経っていた。そんな折に次世代 Web カンファレンスで少し Edge Computing の話をさせてもらう機会を頂いて、後日の感想を書きたい機運が生まれたので書いてみようと思う。この記事は Fastly Compute (旧 Compute@Edge) 一人アドベントカレンダー 18 日目の記事です。
Who are you?
Fastly に半年くらい前に入社して Fastly Compute (旧 Compute@Edge) の導入のための技術検証や構築の支援などをやってる人。正式な役職名は Senior Serverless Strategist。ただこれだと何をやるロールか分かりづらいので簡便のためにスペシャリストエンジニアですと名乗ってることが多い。
Got a new chapter started this week pic.twitter.com/499F6WMSuL
— 𝕂𝕒𝕪 (Kéi Sawada) (@remore) June 29, 2023
登壇までの経緯
ある日 DM で Edge Computing セッションオーナーの @kt3k さんから登壇してみませんかと誘って頂いて、参加することになった。会の開催趣旨など聞いて賛同できる部分が多くて、当日のディスカッションを楽しみにしていた。当日までに、登壇者の間でのテーマ設定やアジェンダ作りなどはあえて行わない形で段取りがされていたので、自分のできる準備として話したいテーマやポイントをなんとなく頭に入れておくくらいのことだけ当日までに済ませてカンファレンスに参加した。
あと、ある方面の方々に繋いで頂いてとある懇親会(からの閉店間際の中華含む)で @Jxck_ さんと事前にお話しすることができたのもありがたかった。Edge Computing のセッション枠を用意した経緯とかも聞けたし、普段 h2o 使ってる話とか聞けたのもシンプルに興味深かった(時間が取れれば自分でもやってみたい)。あと完全に余談だけどもし今後いつか機会があったら @Jxck_ さんからみた Edge Computing がどうなのか、みたいところも話せたら面白いんじゃないかなとも思ったりしている。
当日話してみてどうだったか
テーマ設定からして次世代感があって、昔話や思い出話の類が入る余地がなかったのでトピックス面というか、その辺は安心して話すことができた。後半少しだけ話が出た portability の話はもう少ししたかったけど話きれなかった。Docker+Wasm で WebAssembly のサポートが強化されたり、Component Model で作ったモジュールの再利用性を高められる可能性とか、これからやってくるであろう変化をどう捉えていくかというところは話しきれなかったところの一つ。
外せない各社の Node.js 互換性への取り組みの話も触れられたのはよかった。 @kt3k さんが事前にいろいろ準備してくれて話をいろいろと振ってくれたお陰で、(途中不定期にとあるフレームワークの宣伝が入りつつ)満遍なく各ベンダーの話が出揃って聞けたのは個人的にも貴重な機会だった。全体的な話の進み方として、何か界隈の問題点からスタートするというよりも世間話的というか、各サービスの状況がどうで仕様がどうなっている、というあたりを前半で話していったと記憶しているんだけど、進め方がとてもよかったと思っていて、各サービスで結構色んな差とか違いがあって登壇者の間でも情報の非対称性が割とある状態でのスタートだったので、近況共有的な部分が手厚めにできたのはすごくよかったと思う。(その分、個別の問題や技術課題に触れられる時間は結果的に少なめでもあったかもしれない)
エッジでの開発の DX が良い話が出たのも大筋で同感できる部分だった。僕からは他にリソース制限の話とか、ストレージ周りの特に Write の要件が厳しい時の対処方法とか、話してみたいポイントはいくつかあったけど時間切れで終わった。
自分の話の補足
- JS SDK の SpiderMonkey の話はアドベントカレンダー 11 日目の記事に関係する内容を少し書いてます
- polyfill.io のメンテナの Jake Champion の話が出たので、彼が出演してる今年の podcast (Syntax.fm) のリンクも貼っておきます。WebAssembly のランタイム周りや WASI / Winter CG, Hono あたりの話とか、終盤 41:39〜 あたりで wizer の話も出てきて個人的には面白く聞いてました。
"エッジ"コンピューティング
その他思ったこと。エッジコンピューティング、言葉がそもそも難しい、というのは前から思っててどうすれば、という気持ち。次世代 Web カンファレンスの定義だと、登壇者の顔ぶれ的に多分 CDN(あるいはエッジネットワーク) の上で動くコンピューティング基盤のことを指していたと思う。一方で世の中的には同じ言葉が別の意味で使われていて、例えば IoT の分野だと IoT 端末上での計算処理のことをエッジコンピューティングと呼んでいたりする。それにもっと広く見るとブラウザの ServiceWorker こそが真のエッジ(端っこ)でのコンピューティングと見立てる世界線もあると思うし、ここら辺の言葉が散らかりがちなところは機会があれば話してみたい。
と、買いてたら @kt3k さんからも似た話が。何かいい言葉出てきてほしいですね。
Cloudflare Workers 等を指して「エッジコンピューティング」というのは、言葉の狭い意味で使いすぎているように思えてきたので、「クラウドエッジコンピューティング」みたいな用語を使った方が良い気がしてきた
— Yoshiya Hinosawa (@kt3k) December 20, 2023
その他
その他にも色々と思ったことはあって、設定言語の延長線で WASI が使われてるその先の話とか、あるいはオリジンレスなエッジサーバレス実行基盤の議論とか色々あるけど、ブログに書くにはアイデア以前の段階なのと、何回か書いてみたけどどうしても立場上の話も混じってしまうので、今回はこの辺で筆をおこうと思います。
最後に
こういう雑記は大体うまくまとまらないので、最近ブログをおろそかにしていたのもあって当初ブログ書く気はゼロだったんだけど、一人アドベントカレンダーをちょうど開催していたことと、何よりも @Jxck_ さんと、カンファレンス運営してくださった皆さんに素晴らしい会をホストしてくださった感謝の気持ちが大きくて、まとまらないのを承知で一旦書いて放流してみようと思います。埃のかぶったこのブログに 6 年近くぶりに記事を書かねばと思ったくらいには参加できてよかったと思えるカンファレンスでした。カンファレンス運営のコストも上がってる中で無事開催しているの素晴らしすぎるし運営皆さんに感謝しかない。
edge_computing の話を Bar で聞いてくださった皆さんもありがとうございました。久しぶりにお会いできた方々もいて嬉しかったです。会場にいらっしゃっていてお話できなかった方々も、また何かの機会でお話できたら嬉しいです。
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about me
@remore is a software engineer, weekend contrabassist, and occasional public speaker. Read more