48JIGEN *Reloaded*

集中力 / 谷川 浩司

2009/04/17

仕事中の集中力を高めたいと思って、集中力についての本を2冊買い込んだ。
これはその1冊目。

ノウハウというよりは、エッセイというか将棋道というか。
集中力というテーマについて、将棋界のトップランナーがいろいろ語ってくれる。

「負けず嫌い」「弟」という共通項があったからか、
書き方がわかりやすいからなのか、文章にとても共感しながら読めた。

本の主旨の中で、印象に残った部分をメモ。

・集中力の基本は、「好き」であることの持続。

・悔しさをパワーに変える「できた!」という喜びが、エネルギーの源。

・勝負に限らず、自分のペースを守り、集中力を維持するには、感情をコントロールすることが大事。

・流れが読めれば集中力は持続できる。
 
 ちょっとしたミスがゲームを大きく左右する。
 そのミスには、それ以前に誘発する他の要因がある。
 
 例えば、野球で投手が無駄な四球を出すと、その回は零点に抑えても、次の攻撃のリズムが壊れてしまう。
 流れが途切れてしまい、チーム全体の集中力が切れてしまう。
 いったん切れた集中力を取り戻すのは大変。

・勝負を進めるときの2つのポイント。

 1、優勢の時には、相手の指し手の選択肢をできるだけ少なくすること。
   その方が、迷わずに読んでいきやすい。
 
 2、不利なときは、相手の選択肢を多くすること。
   いろいろ読まなければならないとなると、相手は迷いやすく、ミスが生じやすくなる。
   相手のミスを待つわけではないが、苦しい将棋に勝つには相手がミスをしなければ勝てない。

・相手が攻めてくる一手前に攻めるのが理想的。
 相手が攻めの陣形を組み立て、「次に攻めよう」としている時は、攻守のバランスが崩れる。
 そこを狙って攻めを仕掛ける。
 そうすると、相手の攻めようとしている駒が遊び駒になり、陣形が手薄になる可能性がある。

その他。心に残った一節。

・新聞記者が記事を書くとき。
 直接取材をしなくても、本や雑誌などの資料を集めれば100行のうち95行は書ける。
 しかし、残りの5行は実際に会って話を聞かないと、いい記事にならない。

・「夜明け前というのは、実は一番暗いのです。」
 今の心の闇が深ければ深いほど、明るくなるのもじきだ。
 努力を続けていれば花も咲くはずだ。

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